秋も深まってきました。
秋は何となくしっとりした気分になりますが、そんな気分にはクラシック音楽がよく似合います。
今回は「秋に聴きたいクラシック音楽 ~ ピアノ曲編」をまとめてみました!
クラシック音楽は演奏者は勿論、演奏時期・場所・楽器によっても表現が全く違い、聴き比べたり、お気に入りの演奏者の演奏を聴き込んだりするのも楽しみの一つ。
今回はそれぞれの曲の「くらげ的名盤」も併せてご紹介します♪
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ゴルトベルク変奏曲 / Johan Sebastian Bach
曲名 | ゴルトベルク変奏曲 |
(原語) | Goldberg Variationen BWV988 |
作曲者 | ヨハン・セバスティアン・バッハ |
(原語) | Johan Sebastian Bach |
作曲年 | 1741年 |
作曲場所 | ドイツ |
演奏時間 | 約1時間 |
シンプルで美しいアリアが約1時間にわたって変奏されます。
様々に表情を変えて演奏されてきたアリアが最後に戻って来た時には、得も言われぬ高揚感と感動に包まれます。
秋の夜長にぴったりな珠玉の傑作です。
最初に演奏されるテーマの「メロディー」、「ハーモニー」、「リズム」のいずれかを残したままで、その他の要素を変えて、音楽を発展させていく作曲法です。
- グレン・グールド Grenn Gould / ソニーミュージック (1982年)
- アンドラーシュ・シフ André Schiff / ユニバーサル ミュージック クラシック(2001年)
- アレクサンドロ・タロー Alexandre Tharaud / ワーナーミュージック・ジャパン(2015年)
月光ソナタ Klaviersonata cis-moll Nr. 14, Op.27-2 / Ludwig Van Beethoven
作品名 | ピアノソナタ 嬰ハ短調 第14番 作品27-2 |
(原語) | Klaviersonata cis-moll Nr. 14, Op.27-2 |
作曲者 | ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン |
(原語) | Ludwig Van Beethoven |
作曲年 | 1801年 |
作曲場所 | オーストリア |
演奏時間 | 約15-16分 |
全部で32曲のピアノソナタを書いたベートーヴェンが30歳の時に書いた、14作目のピアノソナタ。
一楽章が特に有名で、「月光ソナタ」として知られていますが、この題名はベートーヴェンがつけたものではありません。
ベートーヴェン自身は「幻想的ソナタ」という題名を付けています。
それでも、「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と表現した音楽評論家・詩人のルートヴィヒ・レルシュタープのコメントは言いえて妙、と感じます。
ソナタ形式の楽章を含む、3ないし4楽章の器楽作品です。
1楽章がソナタ形式、2楽章がゆっくりとした音楽、最終楽章は派手なものが多いです。
ソナタ形式、というのは、提示部・展開部・再現部(・コーダ)という構成を持った形式のことで、調性の変化だとかテーマの数だとか、色々細かいことはありますが、とにかく「いっちばん始めの提示部」を集中して聞くことが楽しむコツです!
提示部にでてくるメロディー、リズム、音程、などが楽章全体、名作になると作品全体にわたって使われていて、非常に均整と統一感の取れた、味わいの深い、そして聴きごたえのある名作が生まれやすい形式です。
とーっても昔からある形式ですが、その歴史の中で、作曲家たちがその形式をもっと自由に捉えて作品を作ることに挑み始め、今では、原則から外れる様々な作品があります。
- クラウディオ・アラウ Claudio Arrau / ユニバーサルミュージック(2016年)
- ウラディミール・アシュケナージ Влади́мир Дави́дович Ашкена́зи / DoubleDecca(1997年)
- ダニエル・バレンボイム Daniel Barenboim / ユニバーサルミュージック(2012年)
4つの即興曲 Impromptus D899 / Franz Schubert
作品名 | 4つの即興曲 |
(原語) | Impromptus |
作曲者 | フランツ・シューベルト |
(原語) | Franz Schubert |
作曲年 | 1827年 |
作曲場所 | オーストリア |
演奏時間 | 約26分 |
「即興曲」という題名はついていますが、即興で作られた曲ではなく、あくまでも「即興風の」曲、という意味合いです。
4曲すべて美しく、通して聴くと聴き終わったあとに、しみじみとした感動が広がります。
非常に素朴で美しいメロディーと、そこはかとなく漂う孤独感と切なさ、そして温かさのある音楽が、秋に紅茶かホットチョコレートでも飲みながら、聴きたくなるピアノ曲です。
- アルフレッド・ブレンデル Alfred Brendel / ユニバーサル ミュージック クラシック (1991年)
- 内田光子 / ユニバーサル ミュージック クラシック (1997年)
- ウラディミール・ホロヴィッツ Vladimir Holowitz / ソニーミュージック(1973年)
ノクターン Nocturne / Frédéric Chopin
題名 | ノクターン |
(原語) | Nocturne |
作曲者 | フレデリック・ショパン |
(原語) | Frédéric Chopin |
作曲年 | 1827年-1846年 |
作曲場所 | ヨーロッパ各地 |
演奏時間 | 約1時間46分 |
ピアノの詩人ショパンのノクターン(夜想曲)。
全部で21曲あり、20歳の頃から晩年まで、ほぼ均等に書かれています。
全部続けて聴かなくてはならない作品ではないのですが、どれも素敵な作品で選びきることが出来なかったので、全部まとめて紹介します!
ショパンの歌心、絶妙なハーモニー。
これぞピアノの詩人と言われる所以!と思わせられる、傑作品群です。
特に有名なのは、Op.9-2、Op.72-1あたりでしょうか。
1曲は大体3~5分くらいなので、気負わず少しずつ聞いたり、全曲流したり、お好みに合わせてお楽しみください♪
- ディヌ・リパッティ Dinu Lipatti / 様々な年代
- ウラディミール・ホロヴィッツ Vladimir Horowitz / BMG JAPAN(1928年、1945~1957年)
- エフゲニー・キーシン Evgeny Kissin / BMG JAPAN (1993年)
小品集 Klavierstücke Op.118 / Johannes Brahms
作品名 | 小品集 作品118 |
(原語) | Klavierstücke Op.118 |
作曲者 | ヨハネス・ブラームス |
(原語) | Johannes Brahms |
作曲年 | 1893年 |
作曲場所 | ドイツ・オーストリア |
演奏時間 | 約25分 |
こちらは全8曲の小品からなる組曲です。
ひとつひとつを取り出して聴いても素晴らしいのですが、通して聴くと、ひとつのスケールの大きな作品として楽しめます。
ブラームスの晩年に書かれた作品で、ノスタルジアと熱情と達観した温かい視線を感じる名作です。
特に第二番のバラードは、涙なしには聴けません。
- ラドゥ・ルプー Radu Lupu / DECCA (1970年、1976年)
展覧会の絵 / Modest Petrowitsch Mussorgski
作品名 | 展覧会の絵 |
(原語) | Картинки с выставки |
作曲者名 | モデスト・ペトロヴィッチ・ムソルグスキー |
(原語) | Моде́ст Петро́вич Му́соргский |
作曲年 | 1874年 |
作曲場所 | ロシア |
演奏時間 | 約29-30分 |
一度は聞いたことがあるであろう、クラシック界きっての有名曲です。
オーケストラバージョンもありますが、それは後年他の作曲家が編曲したもの。
ムソルグスキーが書いた原曲は、こちらのピアノ版です。
ムソルグスキーの友人だった画家の遺作展から着想を得た作品で、そこに展示されていた10作品の印象を音楽に仕立てた10曲の間に、彼が展覧会を歩いている姿を表現した「プロムナード」が挟まる、というとても面白い構成の作品です。
それぞれの題名も、想像力をとても掻き立てますし、折々現れるプロムナードがそれぞれ異なった曲想を持っているのもとても興味深く、楽しい作品です。
クラシック音楽においての編曲とは、元々ある曲を他の楽器・編成用にアレンジした作品の事です。
その元となった曲を「原曲」と言います。
原曲の世界観を残したまま、スケールを大きくしたり、演奏しやすい編成にしたり、原曲とは一味違う魅力を出したり。
良い編曲をするには、原曲の理解、楽器の理解、音楽的素養が深くなくてはならず、ラヴェルなどはそのクレバーでクリエイティブな才能を活かして、素晴らしい編曲をたくさん残しています。
- スヴャトスラフ・リヒテル Richtel / PHILIPS (1958年)
- ウラディミール・アシュケナージ Vladimir Aschkenazy/ LONDON (1994年)
ベルガマスク組曲 / Claude Debussy
曲名 | ベルガマスク組曲 |
(原語) | Suite bergamasque |
作曲者 | クロード・ドビュッシー |
(原語) | Claude Debussy |
作曲年 | 1890年 |
作曲場所 | フランス |
演奏時間 | 約17分 |
全4曲からなるこちらの組曲、第3曲「月の光」が特に有名です。
完成まで15年もの歳月を費やしたという、ドビュッシー初期の作品です。
「ベルガマスク」が何を指すのか、というのは色々と言われており、北イタリア・ベルガモ地方の舞踊「ベルガマスカ」であるとか、ドビュッシーが好んだ詩人ヴェルレーヌの「月の光」という詩にある『bergamasque 18世紀の宮殿的な』という表現からの引用、だとか言われています。
因みにフォーレがはこの「月の光」という詩に歌曲をつけています。
こちらも大変美しく幻想的な作品です。
- サンソン・フランソワ Samson Francois/ ワーナーミュージック・ジャパン (2003年)
- パスカル・ロジェ Pascal Rogé / Onyx(2007年)
- アリス=紗良・オット Alice sara Otto / Deutsche Grammophon (2018年)
まとめ
秋に聴きたいクラシックの名曲ピアノ作品を厳選して7つご紹介しました!
ぜひお聴きになって、秋をより深く、じっくりと味わってみてください。
- ゴルトベルク変奏曲 / Johan Sebastian Bach
- 月光ソナタ Op.27-2 / Ludwig Van Beethoven
- 4つの即興曲 D899 / Franz Schubert
- ノクターン / Frédéric Chopin
- 小品集 / Johannes Brahms
- 展覧会の絵 / Modest Petrowitsch Mussorgski
- ベルガマスク組曲 / Claude Debussy
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